私がロックバンドにかける想い

みんなが口を揃えて言う。

 

「そんなにロックバンドが好きなら自分でやりゃいいじゃん」と。

そりゃ、私が男に産まれてたらやってたさ。下北やそこらのライブハウスでふにゃふにゃのラブソングしか歌わないようなバンドよりも遥かにカッコイイ音出して遥かに良いライブして、そしていつかは海外のデカいロックフェスに出て彫りの深い整った顔したグラマーな女を喰いまくって性病で死んでやる、お前らとは目指してる場所が違うんだ、くらいの気持ちでね。笑

 

けど、私は出来ない。

なぜなら性別が女だから。

 

確かに、女でもカッコイイバンドはたくさんいるし、ガールズバンドで成功している人もたくさんいる。私もガールズバンド好きだし。

でも、女には女の戦い方しか出来ない。だって女だから。

私がやりたいロックバンドは、男特有の泥臭さと、熱さと、女々しさと、汚さと、ダサさと、カッコ良さと、美しさがあるバンドな訳で、女にこれをやれと言われても不可能だ。女が、私が述べたみたいなパンクバンドやったらシンプルに下品になるし、かの有名な私の憧れであるロックスターのようにはなれない。

 

そもそも持ってる武器が違うんだ。

 

私はロックバンドをやるなら男の戦い方をしたい。私が目指したいのは男のロックスター。

 

でも、私は性別が女なうえに、心も女。こりゃまいったなぁ…。

 

カッコイイロックバンドもできない、なら、女の私にできることはせいぜい金魚のフンみたいにロックバンドの追っかけしてキャッキャッと騒いで、好きなバンドの金になることくらい。

でもそれでもいいかもなと最近思う。金でいいし、なんぼでも利用してくれて構わない。幾らでも貢ぎますよ。

その代わり、私がどんなに望んでも出来ない男の戦い方で、もっともっとデカくなってこの世に山ほどあるくだらん思想なんか蹴散らしてほしい。

 

私はロックバンドによって世界が180度変わりました。日常から考え方から目に映るものから耳にするものまで全てが変わった。本当に世界が変わったんです。

地球と呼ばれるこの星の大きな動きを変えることは出来なくても、一人ひとりの世界は変えられる。1曲で。それもたったの3分間で。私たちは世界を変えることは出来ないけど、一人ひとりの世界が変わっていけば世界も変わっていくのではないでしょうか。

 

そんな望みをもちつつ、私は一生をかけてロックバンドのファンをやっていこうかなと思う。

 

私なんかが出来なくても、当然彼らがやってくれるでしょう。